フランスに比べると、ドイツでは高速鉄道の開発が遅れていたが、そのドイツが1991年6月に満を持して登場させたが、ICE
- InterCityExpressである。ICEはInterCityに比べ高速性・快適性の点で優れており、格上の列車と位置付けられるが、基本的にはInterCity網に組みこまれており、高速新線のみならず在来線も走行する。当初、高速新線はHannover
- Wuerzburg、Mannheim - Stuttgartの2区間のみであったが、1997年にはBerlin
- Hannover間の高速新線が開通し、さらに2002年末にはKoeln - Frankfurt間も開通する予定である。
ICEの開発が本格化したのは1980年代に入ってからである。最初の試験車両であるICE-Vは1985年に登場し、その後の試験では406.9km/という世界最速記録と樹立した。この試験車両をベースに量産されたのが、開業当初から活躍するICE1である。ICE1は最高速度280km/hを誇り、両端の動力車の間に10-12両の客車が連結された編成である。Hamburg
- Muenchenをはじめとしたドイツを南北にネットする幹線用に使用されており、現在でもICEの主力である。続いて1997年に登場したのがICE2で、性能的にはICE1とほぼ同等ながら、動力車1両+客車7両に短縮され、2編成併結での運転も可能にする事で、ICE1では供給過多となるような路線での、より効率的な運行を実現した。2000年にはICE3も営業運転を開始した。これまでのICE車両は動力集中方式であったが、このICE3は動力分散式が採用されている。1編成は8両で、Koeln
- Frankfurt高速新線完成時には300km/h運転を行なう予定である。また、オランダなどに直通可能な4電源式の車両も開発され、ICE-3Mと呼ばれている。高速新線を建設するほどの需要がないローカル線の高速化を目的とした振子式のICEも開発されている。1999年に登場したICE-Tは、ICE3と同様に動力分散式となっており、最高速度は230km.hながら、主として山間部の路線で、その威力を発揮している。最高速度200km/hの振子気動車ICE-TDも、2001年夏のデビューに向けて、試運転が進められている。
今後については、まずHamburg - Berlin間に磁気浮上式鉄道Transrapidの建設も計画されたが、コスト等の問題で見送られ、ICE方式での高速化が計られることになった。また2010年にはフランスとの直通運転用に、DBとSNCFが共同で新型高速列車を導入することも決まっている。 |