ドイツの列車

ICE

Rheingold

InterCity

CityNightLine

LHAE

Metropolitan

TEE RA

編成表


(Photo) oimo

(Photo) oimo
 1999年8月1日、Hamburg Hbf - Köln Hbf間で、新しい特急列車、"Metropolitan"の運転が開始された。1991年のICE営業運転開始以来、そのネットワークは拡大を続けているが、ハンブルクとルール地方の間は高速新線建設の計画もなく、ICEのネットワークからも外れている。一方でこの区間では航空と熾烈な乗客獲得競争をしており、DBは対応策を迫られていた。そこでICEとも異なる、全く新しいタイプの高速列車として計画されたのが、この"Metropolitan"である。



計画から営業運転開始まで

 DBAGは高速新線の計画のない北ドイツとルール地方を結ぶ新しいタイプの長距離優等列車を計画した。この列車は競争相手を航空機と自動車と位置付け、それまでのInterCityやEuroCityとは一線を画した列車となる。
 1996年12月17日にDBAG(現在はDB Reise&Touristik AG)の100%子会社であるMetropolitan Express Train GmbHが発足した。その後は営業運転開始迄の1999年迄、メトロポリタン専用の車輛の開発、製造、試験をおこなった。
 この列車の開発にあたり、DBAGから仕様書が複数のデザイン事務所に送られ、指名コンペ形式でそのエクステリアとインテリアデザインが決められた。このコンペの中で、この列車の最大の特徴である顧客の要望に対応したカテゴリーによる区分とういう概念も生まれた。結局、シルバー一色にMetropolitanのロゴのはいったオレンジ色のマークのついた機関車と客車双方のエクステリアデザイン(色彩とそのレイアウト)はStuttgartにあるBPR Design、特徴的な家具調の木目、黒色本革シートやステンレス材をふんだんに使った重厚なインテリアデザインでHamburgのgmp-Design (von Gerkan Marg und Partner)が受注することとなった。
 なお、余談であるがこの列車の専用機関車となった101形と制御客車(運転台部分)のエクステリアデザインもBPR-Designが行ったものである。また、インテリアデザインはICE2.2(現在のICE3)/ICT(現在のICE-T)の実物大モックアップのデザインが発表されたSiemens社工場の同じホールに、採用されたNeumeister-Design等のものとは別案として、ひっそりと2種類(1等車と2等車)の実物大モックアップが置かれていた1等車の部分が後にこのメトロポリタンのインテリアとして採用されたのである。
 1999年7月29日には列車も完成し、営業運転に先駆けて、この列車の無事と成功を祈念するZugTaufe(列車洗礼)をおこなった。その後の8月1日には処女列車運転を行い、無事営業運転の開始となった。
 なお、下は"Metropolitan"のロゴである。(製作:Akira Inoue)





3つのカテゴリーと3つの賞

 Metropolitanは競争相手を航空機や自動車とターゲットを絞り込んだ列車となったため、TEE時代の伝統であった1等モノクラスのシステムを踏襲することになった。しかし、その内容は全くといって良い程当時の豪華列車とは趣きが違う。その最たるものは同じ等級(ここでは敢えて1等車とは呼ばれていない)でありながら、当初Office、Club、Silenceの3つの用途に分けたカテゴリーが設定されたことである。
 Metropolitanは"Schoensten Zug"(最も美しい列車)と自ら謳っている。その理由となる根拠が以下の3つの賞を受賞したことによるものであろう。
 営業開始から約半年後の2000年1月11日、この列車は出張旅行専門雑誌"Buisiness Traveller"誌の"Service Excellence"特別賞を受賞した。これはビジネス客を主にターゲットとした特化されたサービスコンセプトが受け入れられたものであろう。
 その後、2000年6月1日には工業デザインの世界的な権威であるiF賞(Industrieforum Design/Hannover)の"Ecology Design Award"賞を受賞した。この受賞理由は特別に環境保護と木材や金属、ガラス、皮革等の長期的使用に耐えうる自然素材を多用したインテリアデザインが評価された。確かにこれ程迄室内建築的なインテリアを列車の中に構築することは大きなインパクトがあったに違いないだろう。更に2001年6月1日にはDesign Zentrum Nordrhein-Westfaren州の"red dot"賞も受賞した。これも世界的な権威のあるデザイン賞である。
 いずれにしても、「今迄にない特別な列車」という意味では、これらを受賞することも頷けられる。しかし、この華やかさとは裏腹に営業面では苦戦を強いられていた。これはビジネス客に特化したノーブルなサービスとそれに見合う料金設定による高価格運賃設定にあったためであろう。



"Traveller"の登場

 Metropolitanが3つめの"red dot"賞を受賞する3ヶ月程前の2001年3月1日には競争相手である航空業界のLufthansaのマイレージプログラムである"Miles & More"の提携を行った。これにより、Office、Silence、Clubの3カテゴリーの乗客はこの"Lufthansa Miles & More"のカード提示で片道の乗車で500マイルが加算され、ビジネス利用者にとっては更なる魅力となったに違いないだろう。このような状況の中で従来のIC/EC列車の2等車を利用し、その価格とサービスのバランスに満足ている鉄道利用者にとってこの豪華なビジネス特急は意味のない高嶺の花であった。なるべく低料金で早く目的地に到着したいと思う大半?の乗客の存在は無視できないのである。かつてTEEが衰退し、IC/ECに変わったのはTEEの1等専用列車であったことも大きな要因であった。今回も同じ道を歩んでいたと言えなくもない。
 この列車が営業を開始してから2年目の2001年8月2日と3日には午後の列車にはMetropolitan社の幹部から直接乗客にProsecco(イタリアのスパークリングワイン)が振舞われ、無事2年間の営業を祝った。その1ヶ月後の夏ダイヤ改正に合わせて、2001年9月17日からは、ビジネス客ではなく、より経済性を重視する一般の旅客や自動車利用者にターゲットを絞り込んだ新しい4番目のカテゴリー"Traveller"を設定した。ここでは問題となっていた「高価格設定の改善」の他、「旅行時間の短縮」、そして「より良いサービス」が重要との認識からこの新しいカテゴリーで実現することとなった。
 "Traveller"では 基本料金の138DM(70EUR)で座席指定、新聞、ソフトドリンクのシートサービスを加えた乗車料金となった。更に"Return Special"という乗車日の2日前迄に予約する往復切符は20%割り引き料金が設定された。また、5日前迄の予約では"Weekend Special"料金の適用となり、30%割り引き料金が設定されることとなった。DBAGのBahnCardももちろん使えるが25%割り引きに留まっている。
 "Traveller"の車内設備は限り無く他のカテゴリーとの統一感の維持に注意が払われている。壁材や荷物棚、天井等は同一の素材で、読書灯もあり、床も絨毯敷きある。座席は他のカテゴリーが2+1の配置に対して"Traveller"は2+2でシート表皮は本革ではない。座席配置は中央に大テーブルのある向かい合わせの座席があり、そこを中心に一方向座席が並ぶ全室禁煙の開放室となっている。
新しいカテゴリーは1編成に2輛連結され、これにより現行の"Office"、"Club"、"Silence"は237座席となり、新しい"Traveller"は145座席となった。他のカテゴリーと"Traveller"との違いは広幅座席の他、ビジネススナックのシートサービス、ラップトップコンピュータ用電源、携帯電話用リピーター、DVD映画、専用バーコーナー、無料の枕と毛布貸し出し、そして静粛区域の保証があること等である。



車内設備とサービス

 前述の通り、"Metropolitann"は国内航空路線と対抗するために生まれた。従って、設備的にも航空機のビジネスクラスと同等以上のものとなり、鉄道が航空機から乗客を奪うための1つのチャレンジであると位置づけられる。特に乗客の要望に応じた4つのカテゴリーに分けたシステムは今後の鉄道車両のコンセプト自体に大きな影響を及ぼす可能性があるので注目に値する。各カテゴリーの特徴は以下の通りである。


"Office"
-仕事を車内で行いたいビジネスマン向け。向かい合い座席の配置に会議、読書、仕事の出来る設備が備わっている。

"Club"
-車内でのコミュニケーションを取りたい乗客(例えばグループ、家族等)向け。貸し出しDVDシステムによるVideoを鑑賞することができる。

"Silence"
-車内で静かに(誰にも邪魔されずに)過ごしたい乗客向け(一人で旅行し、読書等を楽しみたい人等)。"Club"の設備の他、オーディオモジュールが備わっている。

"Traveller"
-よりリーズナブルな価格設定による一般の乗客向け。


 ビジネスマン向け"Office"と"Club"には携帯電話の発信サービスがあり、"Office"、"Silence"の各座席に220Vコンセント、読書灯、サービスコールボタン、"Traveller"の各座席には読書灯が備わっている。また"Office"、"Club"、"Silence"の乗客に「ビジネススナック」と呼ばれる軽食とソフトドリンクのシートサービス、"Traveller"も含めた全ての乗客には新聞やソフトドリンクが供される。
 車内は全席指定で、DBの旅行センターの他、DBと契約のある旅行代理店、メトロポリタンコールセンター、インターネットのメトロポリタンホームページで予約とチケット購入が可能である。片道基本運賃は"Office"、"Club"、"Silence"で105EUR、"Traveller"は70EUR。

 この他の付帯サービスとしては以下のようなものがある。
 (1)携帯電話による電話着信サービス、ファックス。
 (2)列車内のレンタカー予約サービスは到着駅のプラットホーム上でクルマのカギが手渡される。
 (3)自家用車で出発駅に着いた乗客はそのまま列車へ乗り込める。車は専門の係員がクルマを駐車場へ運んでくれる。
 (4)ケルン及びハンブルグでホテルを利用する乗客は特別価格で指定されたホテルに宿泊可能。


(Photo) M.Kato (showroom@pop16.odn.ne.jp)

(Photo) M.Kato (showroom@pop16.odn.ne.jp)

(Photo) M.Kato (showroom@pop16.odn.ne.jp)

(Photo) M.Kato (showroom@pop16.odn.ne.jp)



Metropolitanのその後

 営業開始以来の利用状況は残念ながら芳しいものではなかった。鉄道の大きな利点であるエコロジーな交通機関という観点からビジネス利用客を航空機から呼び戻すことには成功したとも言えるが、列車営業として成功は程遠く営業開始当初は路線拡大計画まであったのに、逆に廃止の噂まで出る始末であった。
 Metropolitan社は2001年10月と11月にKoeln Messeで行われた"Anuga"、"Art Cologne"の来訪者のために、会場の最寄りの駅であるKoeln-Deutz駅に期間中1日1本停車させたり、"Club"で貸し出されるDVDプレーヤーを最新のSony製品に変える等、柔軟なサービスも行わった。さらに、数日前の事前予約による往復割引き運賃の設定され、運賃面でも利用者確保のための努力が続けられ。
 2003年6月からは9月14日までの期限付きながら、Office/Club/Silenceで片道29.90EUR、Travellerで19.90EURからの割引運賃の設定も行われた。



Metropolitanの運用

 "Metropolitan"の営業運転は1999年8月1日に開始され、Hamburg HbfとKoeln Hbf間に1日4往復8本が運転された。途中停車駅はDuesseldorf HbfとEssen Hbfのみである。なお、営業路線での試運転は7月1日より開始され、7月31日を以ってICE638/639 "Alster-Kurier"が廃止された。


●1999年夏ダイヤ●
MET938 Hamburg Hbf 06:17 -> 08:52 Essen Hbf -> 09:16 Düsseldorf Hbf -> 09:42 Köln Hbf (月-金)
MET936 Hamburg Hbf 11:18 -> 13:52 Essen Hbf -> 14:16 Düsseldorf Hbf -> 14:42 Köln Hbf (土以外毎日)
MET932 Hamburg Hbf 15:17 -> 17:52 Essen Hbf -> 18:16 Düsseldorf Hbf -> 18:42 Köln Hbf (日以外毎日)
MET930 Hamburg Hbf 19:22 -> 21:54 Essen Hbf -> 22:16 Düsseldorf Hbf -> 22:42 Köln Hbf (土以外毎日)
MET931 Köln Hbf 06:19 -> Düsseldorf Hbf 06:41 -> Essen Hbf 07:04 -> Hamburg Hbf 09:49 (月-金)
MET933 Köln Hbf 11:19 -> Düsseldorf Hbf 11:41 -> Essen Hbf 12:04 -> Hamburg Hbf 14:43 (毎日)
MET937 Köln Hbf 15:19 -> Düsseldorf Hbf 15:41 -> Essen Hbf 16:04 -> Hamburg Hbf 18:45 (月-金)
MET939 Köln Hbf 19:19 -> Düsseldorf Hbf 19:41 -> Essen Hbf 20:04 -> Hamburg Hbf 22:43 (土以外毎日)


●2003年夏ダイヤ●
MET1038 Hamburg Hbf 06:15 -> 08:53 Essen Hbf -> 09:17 Düsseldorf Hbf -> 09:41 Köln Hbf (月-金)
MET1036 Hamburg Hbf 11:15 -> 13:53 Essen Hbf -> 14:17 Düsseldorf Hbf -> 14:41 Köln Hbf (月-金)
MET1032 Hamburg Hbf 15:15 -> 17:53 Essen Hbf -> 18:17 Düsseldorf Hbf -> 18:41 Köln Hbf (毎日)
MET1030 Hamburg Hbf 19:15 -> 21:53 Essen Hbf -> 22:17 Düsseldorf Hbf -> 22:41 Köln Hbf (土以外毎日)
MET1031 Köln Hbf 06:18 -> Düsseldorf Hbf 06:39 -> Essen Hbf 07:03 -> Hamburg Hbf 09:49 (月-金)
MET1033 Köln Hbf 11:18 -> Düsseldorf Hbf 11:39 -> Essen Hbf 12:03 -> Hamburg Hbf 14:44 (月-土)
MET1037 Köln Hbf 15:18 -> Düsseldorf Hbf 15:39 -> Essen Hbf 16:03 -> Hamburg Hbf 18:46 (土以外毎日)
MET1039 Köln Hbf 19:18 -> Düsseldorf Hbf 19:39 -> Essen Hbf 20:03 -> Hamburg Hbf 22:44 (土以外毎日)



Metropolitanの終焉


 2004年12月11日、この日を最後についにメトロポリタンは営業運転を終了することとなった。1999年の営業開始当時は、対抗する航空路線のビジネス客をターゲットにノーブルな全席1等車レベルの豪華列車として華々しくデビューを飾った列車であるが、ドイツ/ヨーロッパ経済が決して予断を許されない状況下でビジネス客も多様化し、また一般客からもリーズナブルな列車を望む声も多く、結局2等車レベルのカテゴリ「Traveller」を追加したものの、対抗路線である航空機もHapag-Lloyd Express (HLX)社による同路線で37ユーロという破格値を設定。メトロポリタンはこれに対して19.90ユーロという価格を設定したものの、結局メトロポリタン社自身の首を絞める結果となってしまったようである。更に、このような弾力的な価格設定は同じ路線を走るDB列車との価格差問題も起こり、予約時に度々支障が生じたようである。何より決定的な問題点は1日に4往復のみの運行であったと言えるのであろう。やはり乗客は、豪華さより便利さを選択したわけである。
 結局、ダイヤ改正以降はMetropolitanに代わりICE-Sprinterが登場する。残念ながら決して正しくなかったメトロポリタンのマーケティング戦略であったが、この5年間、ドイツ国内路線を豪華特急列車として君臨したことは間違いのなく、等級ではなく乗客の嗜好によって区分された車内レイアウトや新しい供食サービス等、新しく画期的な試みも数多く現実化されたのも事実である。この列車のサービスの中で、サイレントゾーンの設定等はJR西日本の新幹線でも採用されるなど、影響もあったのであろう。つまり、この列車はビジネスモデルとして成功はしなかったが、この列車サービスのアイデアの幾つかは後の列車サービスに影響を与えた程の強い個性を持った列車であったと言えるのではないだろうか。

 Metropolitan用の車両は、2004年12月からの冬ダイヤ以降、Berlin Zoo - Duesseldorf Hbf / Koeln Hbf間のICEに使用されている。これはICE-Tの2次車、ICE-T2の納入が遅れていることに伴う暫定的な措置である。旧MET車が使用されているのは ICE1748 (Berlin Zoo→Duesseldorf Hbf)、ICE1745 (Duesseldorf Hbf→Berlin Zoo)、ICE1747 (Koeln Hbf→Berlin Zoo)、ICE1746 (Berlin Zoo→Koeln Hbf)の4列車である。


Metropolitan用車両


(Photo) Matsuura Hiromasa (cackle@cap.bekkoame.ne.jp)

(Photo) Koji Abe

(Photo) M.Kato (showroom@pop16.odn.ne.jp)

 Metropolitanは7両編成(制御客車1両+中間客車6両)で、2編成が用意された。計14両の客車の製作は、車体をFTD(Fahrzeugtechnik Dessau)、内装をDWH(Deutschen Werkstaetten Hellerau)がそれぞれ担当した。外観も内装も全く新しいコンセプトに基づくもので、外観は車体そのものはICE2に近く、強化ガラスの連続窓で扉の窓は連続窓との一体感を表す真四角である。車体の塗装はシルバーメタリックとなった。車内は等級の代わりに、用途別に"Office"、"Club"、"Silence"に分けられ、後に"Traveller"が追加された。客車の登場当初の仕様は以下の通りである。

形式 ナンバー カテゴリー 定員 煙草 号車 編成 FTDナンバー
Apmz 116.0 70 80 10-95 701-5 Silence(→Traveller) 57 N 1 1 997-1
Apmz 116.0 70 80 10-95 702-3 Silence(→Traveller) 57 N 1 2 997-2
Apmz 116.2 70 80 10-95 703-1 Silence(→Traveller) 57 N 2 1 995-1
Apmz 116.2 70 80 10-95 704-9 Silence(→Traveller) 57 N 2 2 995-2
Apmkz 116.6 70 80 85-95 709-8 Office 39 Y 3 1 996-1
Apmkz 116.6 70 80 85-95 710-6 Office 39 Y 3 2 996-2
Apmz 116.4 70 80 85-95 705-6 Office 57 N 4 1 994-1
Apmz 116.4 70 80 85-95 706-4 Office 57 N 4 2 994-2
Apmz 116.4 70 80 85-95 707-2 Office(→Silence) 57 N 5 1 992-1
Apmz 116.4 70 80 85-95 708-0 Office(→Silence) 57 N 5 2 992-2
Apmkz 116.6 70 80 85-95 711-4 Club 39 Y 6 1 993-1
Apmkz 116.6 70 80 85-95 712-2 Club 39 Y 6 2 993-2
Apmbzf 116.8 70 80 80-95 713-5 Club 45 N 7 1 991-1
Apmbzf 116.8 70 80 80-95 714-3 Club 45 N 7 2 991-2
# "N"は禁煙車、"Y"は喫煙車。


●編成(登場時)●




●編成(現在)●






 客車同士は密着連結器で繋がっていて、機関車とともに固定編成を組んでいる。制御客車にフロント及び編成の反対側に当たる中間車Apmz116.0の1位側のみに従来形のスクリュー式連結器が備わっている。(機関車や増結客車と連結させるため)台車はFIAT/SIG社製で統一された。
 牽引機としては101 130-3 / 101 131-1の2両の101形が準備された。これらの機関車にはMET用の設備を搭載しており、塗装も客車と統一されている。また、101 124-6 / 101 126-1号機の2両が予備機に指定されており、130号機や131号機が検査などを受ける際には、代わりに使用された。これらの機関車はMET対応設備は備えているものの、塗装は通常のVerkehrsrot塗装である。101形については、101形のページを参照していただきたい。機関車と先頭車の最前部には当初、"Metropolitan"のロゴが貼り付けられていたが、後にDBマークに変更された。
 MET廃止以降は専用車はICEに暫定的に使用されている。Apmz116.0とApmz116.2が1等車扱い、他は2等車扱いであるが、車内に特に変更は加えられていない。客車側面のMetropokitanのロゴはDBマークに交換され、さらに2005年1月には機関車はVehrkehrsrot色、客車はICE色にそれぞれ塗装変更されている。


(Photo) Matsuura Hiromasa (cackle@cap.bekkoame.ne.jp)

(Photo) M.Kato (showroom@pop16.odn.ne.jp)


Hamburg-Langenfelde, 27.03.2002
(Photo) Hans Hoh

参考文献

・"Aus Fuer Metropolitan" / Eisenbahn-Review INTERNATIONAL, 10/2004, Minirex AG.


Text by Akira Inoue (aav18170@par.odn.ne.jp) / Hisayuki Katsuyama (ny8h-ky@asahi-net.or.jp)
Update: 23.2.2005