ドイツの列車

ICE

Rheingold

InterCity

CityNightLine

LHAE

Metropolitan

TEE RA

編成表



110 356 + CNL471"Komet", 11.05.2003 Hamburg Altona - Loerrach (Photo by Hans Hoh)



●変遷(CityNightLine CNL AGの設立から現在まで)

 CNLの運営会社は、DACH Hotelzug AGからCityNightLine CNL AG(以下CNL AGと記す)に社名を変更、本社所在地もGuemligenからZuerichに移転となった。
この新名称になったCNLの運営会社は当初DBAGグループの長距離列車会社のDB Reise & Touristik AGとSBBの出資であったが、2003年現在ではDB Reise & Touristik AGの100%出資となっている。
 なお、DB NachtZugに移籍となった寝台車WLABm/WLBmは、DB車籍となり、WLABm171、WLBm172と改番されている。これらはデンマークとを結ぶ列車路線の渡り鳥ルート(Vogelfluglinie)がデンマーク内のユトランド半島との海底トンネルが完成したため、ルートを変更、この新しい路線経由のMuenchen-Kopenhagen間の夜行列車EN482/483等に当てられている。
 新会社CNL AGは、移籍から免れたBpm、WRmの他、寝台車WLABm18両、WLBm14両で運営を始めることとなった。
 その後、2両のWRmもDB NachtZugへの移籍があり、DBでの形式名WRmz131に変更されている。
 この他、旧DRのWRm130をCNLが購入し、私有客車として改番された1両のWRm035.1がBerlinerまたは他のWRmが運用を外れた時の予備車としてEBG Muenchberg mbHに保管されている。
 この食堂車は当初DR時代のままの赤地に黄帯塗装(Bordaux/Gelb)で車体中央にCityNightLineのロゴが入る唯一異彩を放つ車両であったが、現在はCNL塗装に塗り替えられ、PFAで改造されたWRmと同様にCityNightLineの標準ロゴとルネサンスの月が車体に描かれている。


WRm035.1(CNL"Berliner")
Photo by Heiko Mueller

WRm 035.1(CNL "Berliner")
Photo by Heiko Mueller


 また、このWRm035.1がCNL Berlinerに投入された1998年当時、動態保存されている1等食堂合造車のARmh217が登場当時の赤/青塗装で運用についていたこともあり、興味深い。

 残りの4路線は停車駅を増やした上で時刻と一部列車番号の変更が行われた。
 CNL478/479 >Berliner<     Zuerich HB - Berlin Ostbahnhof
 D2049/D2048 >Semper<     Zuerich HB - Dresden Hbf
 CNL470/471 >Komet<     Zuerich HB - Hamburg Hbf (Hamburg-Altona)
 CNL212/213 >Donau-Kurier<  Wien Westbahnhof - Dortmund Hbf

 Berlinerには自動車専用運搬車両(DDm)も連結され、自動車も一緒に旅行が可能である。自動車の搬入施設はスイス寄りではドイツのBasel Bad Bf、ベルリンでは、Wannseeにある。

 1998年5月からは各列車の停車駅を増やすこととなった。これは乗客の利便性を考えてのことであるが、当初の目的である利用者の睡眠を妨げないために行っていた最小限の駅停車は否定されることになった。

 1999年6月にはDBAGに6両のスリーパレット車(Bpm)が貸し出された。

 1999/2000年の冬ダイヤ改正から新しく簡易寝台車(Liegewagen) Bvcmz248.5/Bvcmbz249.1が連結されることになった。この簡易寝台車はDB NachtZug所有の49両のBcom243と54両のBcomh246から改造され、そのうちの約26両がCNL塗装に変更、CNL AGに貸し出された。Bvcmz248.5は総べて4人用個室10室(定員40名)からなる簡易寝台車で、Bvcmbz249.1は、4/6人用個室8室の他に車椅子対応の2人用個室1室(障害者とその付き添い者向け)が用意(定員34〜50名)され、現在もCNL向けの改造は進められている。また、CNL向けに改造されたBvcmz248.5は、DB NachtZug車籍からCNLに移籍した2002年初頭には、全てCNLの私有客車としてBvcmz028に改番されている。
 逆にBvcmbz249.1については、現在迄全てDB NachtZug車籍のため、車両形式に変更はない。




CNL Bvcmz028(CNL "Donau-Kurier"), Frankfurt/M Hbf, January 25, 2003, Photo by tdsatoh



Bvcmbz 249.1/DB(CNL "Pegasus/Pollux"), Amsterdam Watergraafsmeer, February 16, 2003
Photo by Heiko Mueller



Behinderte Abteilung+WC/Bvcmbz249.1, Photo by Heiko Mueller


 興味深いのは、これら簡易寝台車は数種類の塗装バリエーションを持っていることである。中にはBar- & Loungewagenのみに付いている「ルネッサンスの月」マークの描かれているものや、CNLロゴがなく、赤文字で"DB NachtZug"ロゴの付いたもの等、外観が多岐に渡っている。更にこれらの車両の窓押えが、他の車両の黒色や車体と同色の紺色と違って明るいグレー塗装であることも手伝って、列車全体の中では目立つ存在となり、開業当初の統一感のとれた美しい編成でなくなったのは残念である。


Bvcmz 248.5/DB(CNL "Donau-Kurier"), Dortmund Hbf, March 29, 2002
Photo by Noriyuki (fto-gr@nifty.com)


 CNL利用者は、それまでの寝台車か座席車の選択から、もう一つの簡易寝台というオーソドックスながらも新しい選択肢が増えることとなった。

 2000年には更に各2両のWLABmとWLBmがDB NachtZugに移籍された。これで、DBに移籍したCNL寝台車は合計で16両となった。

 2001年6月10日からZuerich - Dortmund (- Norddeich)をKomet(CNL470/473)と分割併合する以下の新列車Sirusも登場した。

 CNL40470/50470、CNL41913/41915 >Sirius< Zuerich HB - Dortmund Hbf (- Norddeich Mole)

 2001年7月1日の夏ダイヤ改正からKomet、Berliner、そしてDonau-Kurierの3路線6列車に自転車・荷物積載車両(Fahrrad- und Gepaeckwagen)Dmd038を連結し、最大40台の自転車が搬送可能となった。自転車持込みの利用客は、どのカテゴリーの乗客でも事前予約があればEUR10,-/CHF16,-の追加料金を支払うことにより、車輪を外したり、梱包せずに自転車と共にCNLで旅行出来るようになった。鍵の付いた荷物であれば別の荷物室に預けることも可能。もちろんベビーカーの預かりサービスは歓迎されている。
 このため、DB Reise & Touristik AGから6両のDms905を移籍、自転車止めの追加設備等CNL向けに改造され、Dmd038と改番された。


Dmd038(CNL "Donau Kurier"), Wien West Bf, March 29, 2002
Photo by Noriyuki (fto-gr@nifty.com)


 2001年9月から隔月刊車内誌"focus on"が発刊がされた。この小冊子は、CNLの最新情報からCNL沿線の観光案内、クイズ迄豊富な情報満載である。これは、乗客の車内での退屈な時間をなくす工夫でもあり、CNLの良い宣伝でもあろう。また、これのバックナンバーは運営会社のホームページからもPDFファイルでダウンロードが可能である。
 なお、この車内誌は現在"CityNightLine Das Kundenmagazine"に名称変更されている。

 2001年10月1日からはホームページが開設された。このサイトでは、CNLの会社案内から列車案内、時刻表、バーチャルツアーもある。もちろん予約も可能である。


●CNL客車のリニューアル

 2001年11月から12月中旬にかけて、1995年の営業開始以来のCNL列車のアコモデーションに初めて手が付けられることとなった。これは寝台車のWLABmとWLBm、Bpm(Ruhesesselwagen)の絨毯と座席生地の張替え、そしてWRm(Bar- & Loungewagen)の床絨毯の張替えとカーテンの取り替えが主なアコモデーションのリニューアルされた部分である。この他、WLABmの4人用(Economy 4er)客室のうち、WCよりの1室とWLBmの出入り台よりの2人用個室(Economy Double)1室を荷物室に改造、それまで階段を上げ下ろしや収納に問題の多かった大きな荷物をここに預けることで乗客の負担軽減となった。逆にWLABmの個室数は15室から14室へ、定員は34名から30名に、WLBmは20室から19室、定員44名から42名となった。このため、定員減やファミリールームとして人気のあった4人用個室は早くから満室となる新たな問題も生まれた。
 このリニューアル改造によりWLABmはDWLABm、WLBmはDWLBmと形式変更となった。
 インテリアのリニューアルは寝台車の場合、それまでのブルーグレーの絨毯からDWLABmは淡いピンク系、DWLBmとWRmは紺色の絨毯にCNLのシンボルマーク、ルネサンスの月マークがポイントになって、CNLのイメージ向上に寄与することになった。また、これに合わせて、全車両禁煙であったCNLはWRmに強制換気設備を取り付けることによって喫煙可能となった。これら改造は2002年の夏迄には完了された。
 2002年秋からWRmは更なるリニューアル改造のために工場入りしている。このリニューアルはインテリアの天井部分を薄いベージュからCNLブルーに塗り替え、同時に中央に位置するシリンダ状のカウンターから天井迄全てCNLブルーに変更。その他ベンチの増設や車内でのBGM用のCD付きのオーディオシステムの増設、キッチン部分では新型コーヒーマシンへの交換等、全体的に魅力的な設備に変更される。登場は2003年1月下旬を予定している。

 このインテリアリニューアルと同時であるかどうかは不明であるが、WRmの外観塗装のシンボルであるルネサンスの月マークが1995年の登場時のものから、現在ではネガティブなマークに変更されている。


Photo by Y.Nishino

Photo by Hans Hoh

●現在のCNL

 2002年の初頭に、CNLはDBAGから2両のTouristik-Zug用食堂車を購入したが、派手な外観塗装はそのままで、形式のみWRkmz935からWRkmz035に変更された。この2輛の路線はWien - Dortmund間のDonau-Kurierに使用されている。

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WRkmz035(CNL "Donau Kurier"), Dortmund Hbf, March 29, 2002
Photo by Noriyuki (fto-gr@nifty.com)

 以下のサイトでtdsatoh氏撮影によるFrankfurt HbfでのCNL313 >Donau-Kurier<の画像が御覧頂けます。

...(http://miyama.uncle.or.jp/~tdsatoh/Railroad/CNL/CNL-20030101-MPEG1.mpg)
...(http://miyama.uncle.or.jp/~tdsatoh/Railroad/CNL/CNL-20030102-MPEG1.mpg)
...(http://miyama.uncle.or.jp/~tdsatoh/Railroad/CNL/CNL-20030103-MPEG1.mpg)
...(http://miyama.uncle.or.jp/~tdsatoh/Railroad/CNL/CNL-20030104-MPEG1.mpg)

 この頃には、スイスのSF 1、SF 2の2局でCNLのTVスポットが流された。この30秒間のTVCFはゴールデンタイムに合計で88回放映された

 2002年9月1日からCNL BerlinerとKometの供食車"Bar- & Loungewagen"で提供されるミネラルウオーターからシュナップス、ワイン、そしてメインディッシュに至る迄新しく魅力的なサービスに変更された。特にワインはスイス産の名だたる銘柄、例えばAigle地方の"Les Murailles"やEpessesの"La Republique"、また"Dole des Mont"等、ワイン通にも満足のゆくものとなっている。もちろん、これらワインに合うコールドミールを始め、Tomme、Jura、Mont Soleil、Emmentaler、GreyerzerそしてTilsiter等スイスチーズも豊富に取り揃えている。もちろん、肉料理を中心とした暖かい料理や子供向けメニューも用意されている。車窓を流れる夜景を楽しみながらのながら傾ける美味しいワインと料理には、グルメにはたまらない魅力かも知れない。

 2002年9月26日、CNLのチャーター列車がZuerich - Berlinで運行された。これはスイスからベルリンマラソンに出場する選手、トレーナー、関係者等のための列車で、スポンサーはadidas Schweiz社と大手販売店チェーンのINTER SPORTS社によって"CNL adidas train to berlin"という列車名で運行された。

 2002年12月15日の冬のダイヤ改正からは、CNLにとって新しい一歩が踏み出された。新しくZuerichとMuenchen/GarmischからオランダのAmsterdamに向け、2路線4列車が新設されたからである。
以下にこれら新設定の列車を含めた現在運行中の7つの路線と列車を示す。

 CNL470/471 >Komet<
 Zuerich HB - Hamburg-Altona

 CNL40306/41917 >Sirius<
 Zuerich HB - Dortmund Hbf (- Norddeich Mole[Fr, Sa/Sa, So])

 CNL478/479 >Berliner<
 Zuerich HB - Berlin Ostbahnhof

 CNL50478/50479 >Semper<
 Zuerich HB - Dresden-Neustadt

 CNL312/313, CNL40301 >Donau-Kurier<
 Wien Westbahnhof - Dortmund Hbf

 CNL306/307 >Pegasus<
 Zuerich HB - Amsterdam CS

 CNL40307/41916 >Pollux<
 Garmisch-Partenkirchen/Muenchen Hbf - Amsterdam CS

 なお、以下の列車は各々の区間で併合運転されている。

 CNL478/CNL479 >Berliner< + CNL50478/50479 >Semper<
 Zuerich HB - Halle Hbf

 CNL306 >Pegasus< + CNL41916 >Pollux<
 Koblenz Hbf - Amsterdam CS

 CNL306 >Pegasus< + CNL40306 >Sirius<
 Zuerich HB - Karlsruhe Hbf

 CNL41917 >Sirius< + CNL307 >Pegasus<
 Koblenz Hbf - Karlsruhe Hbf

 CNL471 >Komet< + CNL41917 >Sirius< + CNL307 >Pegasus<
 Karlsruhe Hbf - Zuerich HB

 CNL312/313 >Donau-Kurier< + NZ300/301
 Mannheim Hbf - Dortmund Hbf


 また、この改正によりD202/203 >Schweiz-Express< (Amsterdam CS - Basel SBB)がPegasusの登場により廃止、EN222/223 >Donauwalzer< (Amsterdam CS - Muenchen Hbf/Wien Westbf)は、名称は残ったがEN324/325 (Wien Westbf - Bruessel Midi)と路線変更になった。
廃止された列車名は歴史もある名列車であるだけに名残惜しい。Donauwalzerについては、開業当初CNLの列車であったので、Pegasusの登場により今度は路線を変更されるのは興味深い。
 この新設された2列車は、車両運用の都合や既存のCNL寝台車両(WLABm/WLBm)がNS規格外で入線ができないため、他路線では見られない車両が使用されている。
その一例として、NS Internationaal車籍の簡易寝台車BcvmhやWR、DB AutoZugの寝台車両WLABsm166(T2S)が使用されている。

 この2列車に使用される簡易寝台車は新製時ドイツの旅行会社TUI(Touristik Union International)用に新製された車両であり、食堂車WRも旧DBのBcm243を改造、NS Internationaalに売却され、国際夜行列車に使用されていたものがNS車籍のままCNLとして使用されている。
なお、一部のWLABsm166にCNLロゴが付いていない車両もあるが、総べてCNL塗装(Bcvmhの裾部分はグレー塗装)に変更されている。


WLABsm 166/DB(CNL "Pegasus/Pollux"), Amsterdam Watergraafsmeer, February 16, 2003
Photo by Heiko Mueller



WLABsm 166/DB(CNL "Pegasus/Pollux"), Amsterdam Watergraafsmeer, February 16, 2003
Photo by Heiko Mueller



Bcvmh/NS(CNL "Pegasus/Pollux"), Amsterdam Watergraafsmeer, February 16, 2003
Photo by Heiko Mueller



WRm/NS(CNL "Pegasus/Pollux"), Amsterdam Watergraafsmeer, February 16, 2003
Photo by Heiko Mueller


 その他NSに貸し出されているCIWLのTyp P 4535 61 84 70-70 420-5がCNLの仲間入りをする情報が寄せられ、更には現在Siemens SGP VerkehrstechnikにてWLABmz173.1を新製し、2003年中には、これら列車に投入予定である。
 そして、2003年12月に行われる冬ダイヤ改正時には、車両も含めた大きな変更が予定されているようでここ当分は目が離せない状態である。

 自転車・荷物積載車Dmd038、また新列車Pegasus/Polluxに使用されている車両の詳細等、記述すべき項目も多いが、現在調査中で未確認のため、これらの記事は次回以降の機会に書き添えたいと思う。


●編成


CNL "Donau Kurier", Dortmund Hbf, March 29, 2002
Photo by Noriyuki (fto-gr@nifty.com)

 1999年の"Komet"と2001年の"Donau-Kurier"の編成例を以下に示す。




 2002年冬ダイヤ改正以後のの基本的な営業編成は以下に示すとおりで、分割併合されるSirius、Semper、Polluxは寝台車、簡易寝台車、スリーパレット車のみの短編成で運行されている。










 また、現在の編成例の一例を示すと、以下の様な編成が見られる。





●牽引機関車

 CNLは現在ドイツ、スイス、オーストリア、オランダの4ヶ国にまたがって運転されているため、機関車も各国ごとに使用されている。ただし、Donau-Kurierに関してはオーストリアのWien WestbfからDBの機関車によってMannheim迄直通で牽引されている。
現在把握しているのはDB路線内の一部牽引機関車のみであるが、以下機関車別に列車番号/路線データを記す。


[BR 101 / DBAG]

CNL 306 >Pegasus< + CNL 40306 >Sirius<
Basel SBB → Koblenz Hbf

CNL 306 >Pegasus< + CNL 41916 >Pollux<
Koblenz Hbf → Emmerich


CNL 307 >Pegasus< + CNL 40307 >Pollux<
Emmerich → Koblenz Hbf

CNL 307 >Pegasus< + CNL 40917 >Sirius<
Koblenz Hbf → Karlsruhe Hbf

CNL 307 >Pegasus< + CNL 40917 >Sirius< + CNL 471 >Komet<
Karlsruhe Hbf → Basel SBB


CNL 312 >Donau-Kurier<
Wien Westbf → Mannheim Hbf

CNL 312 >Donau-Kurier< + NZ 300
Mannheim Hbf → Frankfurt/M Hbf
Frankfurt/M Hbf →Dortmund Hbf


CNL 313 >Donau-Kurier< + NZ301
Dortmund Bbf → Frankfurt/M Hbf
Frankfurt/M Hbf → Mannheim Hbf

CNL 313 >Donau-Kurier<
Mannheim Hbf → Wien Westbf


以下CNL 470/471 >Komet<についても101形が客車の回送を担当している。

470 Hamburg Altona → Hamburg Langenfelde
471 Hamburg Langenfelde → Hamburg Altona


[BR112 / DBAG]

CNL 478 >Berliner< + CNL 50478 >Semper<
Basel SBB → Halle Hbf

CNL 478 >Berliner<
Halle Hbf → Berlin Ostbahnhof

CNL 479 >Berliner<
Berlin Ostbahnhof → Halle Hbf

CNL 479 >Berliner< + CNL 50479 >Semper<
Halle Hbf → Basel SBB


113 270 + CNL471"Komet", 29.7.2002 Hamburg-Altona (Photo by Hans Hoh)


●サービスと料金体系

 2002年現在では、当初と少しシステムが変り、寝台のConfortがEconomyに、スリーパレットシートのTouristがRuhesesselと名称変更され、これらのカテゴリーの他、新たに追加された4人用/6人用簡易寝台(Liegewagenplatz 4er/6er)や自転車料金、更にはオフピーク/ピーク時料金も設定されている。(以下参照)また、朝食はDeluxe/Economyの乗客のみ料金に含まれ、簡易寝台や座席利用の乗客は別料金を支払うことにより、Bar- & Loungewagenで朝食を取ることができる。

Deluxe:A個室(各部屋にベット、シャワー、テーブルと椅子、WC。ワイン等アルコール類のウエルカムドリンク、ミネラルウオーター又はオレンジジュース、朝食付き。)
 - B/DW/S (Deluxe single):1人用
 - B/DW/D (Deluxe double):2人用

Economy:B個室(各部屋にベット、洗面台。ミネラルウオーター又はオレンジジュース、朝食付き)
 - B/-/S (Economy single):1人用
 - B/-/D (Economy double):2人用
 - B/-/T4(Economy 4er):4人用

Liegewagen:簡易寝台個室(各部屋にベット、ミネラルウオーター。朝食別)
 - L/-/L4(Liegewagen 4er):4人用
 - L/-/L6(Liegewagen 6er):6人用

Ruhesessel:C座席(スリーパレットシート。朝食別)
 - S/SL/-
*記号は予約時のコード名


CNL-Fruehstuck(Kat.A), March 29, 2002, Photo by Noriyuki (fto-gr@nifty.com)



CNL-Speisekarte(Schlafwagen), March 29, 2002
Photo by Noriyuki (fto-gr@nifty.com)


●おわりに

 現在でもヨーロッパの夜行列車は航空機やバス、自動車等の競争相手と闘い続けながら、また時代の要求に合わせた進化を続けながら各路線で毎日サービスを行っている。日本でも夜行列車の問題は例外ではなく、航空機の低価格化競争が本格化し、夜行列車の衰退は進むばかりである。しかし、サービスを簡略化したり、廃止すれば問題が解決するというような単純な問題ではない。

 これら悲観的な状況はCNLには当てはまらなくなってきているようである。2001年の決算では、CNL AGの親会社DBAGは2000年にSBBからCNLの資本40%を移譲されてから初の黒字を計上した。状況は、今迄になく乗客数も売り上げも伸びて来ている。Berliner/Komet/Donau-Kurierの3列車の平均乗車率は65%となり、これは開業以来の好決算である。この要因は、1999年末から投入された簡易寝台車が利用客増加に功を奏し、全体の30%の利用が占められている。もちろん顧客の満足度も相変わらず高い水準を維持している。
 この成功から、オランダ国鉄(NS)のNS Internationaalとの共同事業として、2002年の12月冬ダイヤ改正でのCNL初のオランダ/アムステルダム乗り入れが叶ったわけである。開業当初3ヶ国の運営形態と運用路線は、現在は1ヶ国の運営に縮小したものの、運用路線は4ヶ国7路線になり、逆に運営方針も身軽になったためか、民間らしい多様なサービスが可能となって、様々な経営戦略によって旅客の認知度も向上しているようである。これは、CI(コーポレートアイデンティティ)に基づいた各種メディアの多用しての啓蒙活動、顧客の要求に俊敏に応えるといった経営戦略が功を奏したと言えるのであろう。

 CityNightLineの1999年当時のキャッチコピーである"reisen statt fliegen"(飛ぶ代わりに旅をしよう)という旅行の本質はこれからもなくしてはならないのである。

 今回、各方面から資料や文献を収集し、また自身の体験を踏まえながらCityNightLineをさまざまな視点で書いて来たつもりであるが、特に最近のことについては資料不足もあって、足らない点も多いかと思います。読者の方からの御厚意ある御意見や御指摘を頂ければありがたいです。



 この文章執筆にあたり、以下の方々から多大な御協力があったことを申し添えます。厚く御礼申し上げます。(敬称略)

資料/写真提供:
 Alexander Frei, BOAC-VC10, tdsatoh, Hans Hoh, Heiko Mueller, Hiroki, HUH, LZB, T.Hashizume, しげやん, 西野泰男, なお, のりゆき



参考資料:
 Kurzfassung. CityNightLine. D.A.CH Hotelzug AG
 Referat 14/12/1994 Hotelzuge D.A.CH Hotelzug AG
 SBB Reisezug- und Gepaeckwagen Generalsekretariat SBB
 "WAGEN" Das Archiv der Reisezug- und Gueterwagen GeraNova Verlag
 Schweizer Eisenbahn-Revue 12/1992 Minirex AG
 Schweizer Eisenbahn-Revue 5/1995 Minirex AG
 Schweizer Eisenbahn-Revue 7-8/1995 Minirex AG
 Schweizer Eisenbahn-Revue 11/1996 Minirex AG
 Schweizer Eisenbahn-Revue 3/1998 Minirex AG
 Eisenbahn-Revue International 8-9/2001 Minirex AG
 Eisenbahn-Revue International 6/2002 Minirex AG
 Eisenbahn-Revue International 7/2002 Minirex AG
 Eisenbahn-Revue International 11/2002 Minirex AG
 Eisenbahnmagazin 2/1995 Alba Verlag
 Kupplung 49 10/1997
 Kupplung 51 8/1998
 Kupplung 54 3/2000
 form 149 I-1995 Verlag form
 鉄道ファン410号 6/1995 交友社
 鉄道ジャーナル352号 2/1996 鉄道ジャーナル社
 鉄道ジャーナル396号 10/1999 鉄道ジャーナル社
 ZUG 5/1995 DBAG列車内雑誌
 CNL各種パンフレット D.A.CH Hotelzug AG/CityNightLine CNL AG
 focus on/CityNightLine Das Kundenmagazine CNL列車内雑誌
 CNLホームページ http://www.citynightline.ch/
 DREHSHEIBEホームページ...http://www.reisezug-wagen.de/CNL.htm
 Privat Homapage von Marcus Grahnert http://www.fernbahn.de/



Last Update: 20.05.2003
Text & Illustration by Akira Inoue (aav18170@par.odn.ne.jp)