DB BR 642 (236編成) |
||||||||||||||||||||||||||||
ドイツの車輌 ICE 電気機関車 ディーゼル機関車 蒸気機関車 電車 気動車/蓄電池車 客車 貨車 事業用車 |
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||
642形はSiemensのDesiroシリーズに属する2車体連接構造のディーゼル気動車で、1999年より導入され、202・211・212・215・219形などのディーゼル機関車牽引の客車列車に代わり、旧東独地域を中心に都市近郊路線やローカル線で幅広く活躍している。 |
||||||||||||||||||||||||||||
総論 |
||||||||||||||||||||||||||||
1996年6月21日、DBはDuewagに150編成の新型2車体連接気動車を発注した。この気動車は当初は"RVT
2.2"と呼ばれ、ドイツの私鉄に導入された"RegioSprinter"シリーズをベースに設計された。”RVT
2.2は、SiemensがDuewagを買収したことで"Desiro"という愛称に変更された。Siemensはモジュール構造を採用した動力車シリーズとして、"Desiro"を展開した。"Desiro"シリーズには"Desiro
Classic"、"Desiro UK"、"Desiro Double Deck"の3種があり、さらに"Desiro
Classic"には気動車バージョンと電車バージョンが存在する。”Desiro”シリーズの先駆けとなったDBの642形は”Desiro
Classic”の気動車バージョンにあたる。追加発注分も合わせ、現在までにDB向けには236編成が製造された。同型車両はOeBB
5022形、NCTD Sprinter (North County Transit District, カリフォルニア),
BDZ (ブルガリア国鉄) 952形、MAV (ハンガリー国鉄) 6342、OSE (ギリシャ国鉄)
660形、CFR (ルーマニア国鉄) 96形として各国で活躍している他、ドイツ国内の私鉄にも採用されている。 |
||||||||||||||||||||||||||||
機械関係 |
||||||||||||||||||||||||||||
642形は642.0 + 642.5形の2車体連接構造を成し、全長は41.700mmである。車体は基本的にはアルミニウム製であるが、運転室部分はガラスで補強されたプラスチック製である。流麗な先頭形状と側扉間の大きな側窓が印象的な美しいデザインは、ICEシリーズをはじめ、643/644形Talentや福岡市交通局七隅線用3000系電車を手がけたさらにAlexander
Neumeister氏による。塗装はDB Regio共通のVerkehrsrot塗装である。Dresden空港輸送に使用される編成
(642 034-038)には車体側面に大きなロゴが入れられている。 642形の軸配置はB'(2)'B 'であり、出入口部分の高さは575mmである。各車両の側扉と台車の間が高床構造になっており、その床下にそれぞれ275kW (一部315kW)の6気筒水冷式ディーゼルエンジン(MTU製R 183 TD13型エンジン)が搭載され、液体変速器機により駆動される。最高120km/hである。ブレーキ装置は423-426形でも採用されたMannesmann-Rexrth Pneumatik製の電磁ブレーキが基本で、非常用に空気圧縮ブレーキも搭載されている。Dresden空港輸送に使用される編成はトンネル内での運用に備え、非常ブレーキが追加されている。Scharfenberg連結器とWBT Augbauシステムの搭載により、最大3編成を併結することができる。また、640・641・643・644・646・648との併結も可能である。 |
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
客室 |
||||||||||||||||||||||||||||
642形の客室内は固定式クロスシートが配されている。基本仕様は1等車12席、2等車98席が基本であるが、Bayerns地方に配置された車両の一部は2等モノクロスで、1等車は設定されていない。出入り口部分に折り畳み席があり、自転車や車椅子に対応している。側扉はプラグドアが採用されている、車内には各種情報を提供するLED表示装置も設置されている。車椅子に対応したトイレもあり、またトイレ脇に自動券売機が設置されている車両も存在する。車内暖房は基本的にはエアーヒーターによるが、それでは不十分な場合には石油ヒーターが稼動する。なお、642形は全車禁煙とされ、喫煙者用スペースは用意されていない。 |
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
運用 |
||||||||||||||||||||||||||||
642形は都市近郊路線からローカル輸送まで幅広く活躍している。2006年現在642
001 - 149 (+ 501 - 649), 156-238 (+ 656 - 738)が、Erfurt・Dresden・Leipzig
Hbf Sued・Rostock Hbf・Kempten・Nuernberg West・Magdeburg-Buckau・Chemnitz
(Erzgebirgsbahn用)・Aschaffenberg (WestFrankenBahn用)の各車両区に配置されている。特にザクセン州では非電化路線の客車列車は全て客車から642形に置き換える方針が取られ、縦横無尽の活躍を見せている。また、ConnexグループのOstmecklenburgische
Eisenbahn (OME), der Nord-Ostsee-Bahn (NOB), NordWestBahn (NWB)、LausitzBahnにも採用されている。 |
||||||||||||||||||||||||||||
![]() LausitzBahnの642形 |
||||||||||||||||||||||||||||
諸元表 |
||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||
Last Update: 26.02.2007 Text by Hisayuki Katauyama (ny8h-ky@asahi-net.or.jp) |